
二条城(提供:京都市元離宮二条城事務所)
寛永3年(1626)、徳川家光と将軍引退後も「大御所」として強い権力を握っていた秀忠の招きに応じ、後水尾天皇が内裏から二条城へと出向きました。天皇と幕府が手を握りあった、いわゆる“寛永行幸”が行われた時代は、従前の文化現象とは位相を異にする新たな文化様式(寛永文化)が大きく展開した時期にあたります。
今年(2026)は、この歴史的な行幸から400年という節目の年。京都では、寛永行幸や寛永文化を振り返る「寛永行幸四百年祭」が開催されることになっています。今回は、記念の年にふさわしい関連イベントの情報をお届けします!
そもそも“寛永行幸”とは

「二条御城中絵図」(京都大学附属図書館蔵)
天皇が御所を出ること、ましてや武家の元へと行くことは稀なこと。徳川家からすれば、自らの居所に天皇を迎え入れるのは、世間に威光を示す恰好の機会となりました。
行幸は5日間に渡り、和歌、乗馬、管弦など様々な催しや宴で、天皇を盛大にもてなしたと記録に残ります。また、天皇を招くにあたって、二条城はその敷地を西側に大きく拡大する大改修が行われました。現在見られる二条城は、築城当初のものではなく、寛永行幸の際に再整備された姿に近いのです。

「二条城行幸図屏風 左隻」江戸時代(京都市指定文化財 泉屋博古館蔵)
行幸のひと幕を、『二条城行幸図屏風』に垣間見ることができます。ここに描かれているのは、上段に二条城に向かう天皇一行、下段には全国の大名等を従えて御所に天皇を迎えに行く徳川将軍の行列です。
この絵で注目したいのが、文字通りの「脇役」といえる沿道の人々。行幸を眺める人の姿もあれば、酒や談笑にふけるかのような様子も描かれます。そこから感じられるのは、活気に満ちあふれた京都の姿。天皇と幕府が手を握りあった寛永行幸は、その後およそ200年に渡って続く安寧の世を予見させたのみならず、産業の復興、そして「日本文化の故郷」とも称される“寛永文化”の推進につながったとも言われます。
「寛永行幸四百年祭」では、行幸の歴史を伝えるのみではなく、行幸を契機に京都で花開いた寛永文化にも注目して、様々な関連イベントが開催されることになっています。
注目の関連イベント①
令和に復活! あなたも時代絵巻の一部に登場?

「二条城行幸図屏風 右隻」江戸時代(京都市指定文化財 泉屋博古館蔵)
来たる12月6日(日)、令和の都大路に行幸行列が出現します! 時代考証を経て作られた装束を纏う数百人規模の隊列が、京都御苑から二条城までの約3キロメートルを練り歩くのです。なんとこの行列に参加が可能で、現在、参加に向けた先行エントリーを受付中。気になる方は、下記の申込みページから詳細をご確認ください。
また、ルートの一部には観覧席を設け、『二条城行幸図屏風』に描かれた沿道の民衆までも再現するそう。つまり、装束を身に着けて観覧席から行列を見守るのです! 寛永行幸がタイムスリップしてきたかのような光景が広がることでしょう(「民衆(観覧席)」の一般募集は後日開始予定)。
\寛永行幸再現行列に参加しよう/
注目の関連イベント②
「寛永」をテーマにした展覧会を見に行こう!
記念すべき年に合わせ、展覧会や特別展の開催が決定しています。京都文化博物館の特別展「寛永 太平がはぐくむ美」では、寛永文化と寛永時代に軸を置き、江戸時代前半に花開いた京都文化の粋を紹介します。泉屋博古館では、『二条城行幸図屏風』を始め、後水尾天皇、小堀遠州、千宗旦、野々村仁清など、稀代の文化人たちによって生み出された作品を中心に陳列する「寛永行幸400年記念 寛永行幸 -花の都の文化人-(仮)」を開催。いずれの展覧会も、京都を中心に栄えた寛永文化の真髄に触れるまたとない機会と言えそうです。
■寛永行幸四百年祭 特別展「寛永 太平がはぐくむ美」
【日程】2026年9月19日(土)~11月15日(日)
10:00~18:00、金曜日は~19:30(入室は閉室の30分前まで)
※会期中、展示替えがあります
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌平日)
【場所】京都文化博物館 詳細情報はこちら
【料金】未定
【公式ホームページ】https://www.bunpaku.or.jp/
■特別展「寛永行幸400年記念 寛永行幸 -花の都の文化人-(仮)」
【日程】2026年9月5日(土)~10月18日(日)
10:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌平日)
【場所】泉屋博古館 詳細情報はこちら
【料金】1,200円
また、行幸の舞台となった二条城での展示も見逃せません。
二条城には3,600面以上もの障壁画が残り、うち1,016面が重要文化財に指定。恒久的な保存の観点から、障壁画の「模写」が進められ、はめ替えが行われています。
大変貴重な「オリジナル」は、城内にある「二条城障壁画 展示収蔵館」で保管および展示。今春からは4期に分けて、後水尾天皇もてなしの場でもある二の丸御殿を彩った障壁画が公開されることに。行幸を前に、狩野探幽率いる狩野派の絵師によって描かれた作品群から、寛永の息吹を感じてみてください。
■元離宮 二条城【開城時間】8:45~17:00(最終入城16:00)
※二条城障壁画 展示収蔵館は9:00~16:45(最終入館16:30)
【休城日】12月29日~31日 ※二の丸御殿の観覧休止日は1・7・8・12月の毎週火曜日、1月1日~3日、12月26日~28日(休日の場合は翌日)
【入城料】入城・二の丸御殿1,300円、入城のみ800円、二条城障壁画 展示収蔵館100円(別途入城料要)
【アクセス】地下鉄東西線「二条城前駅」・市バス「二条城前」バス停からすぐ Google map
【公式ホームページ】https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/nijojocastle/
ここで紹介した3施設だけでなく、相国寺承天閣美術館、茶道資料館、野村美術館や八幡市立松花堂庭園・美術館など、京都各地で、「寛永」に関する展覧会の開催が予定されています! 今後の詳報を楽しみに待ちましょう。
“寛永”に注目して京都を巡ってみませんか?
今回は、「寛永行幸四百年祭」に伴う関連イベントを簡単にご紹介しましたが、最後に、京都に点在する有名スポットに目を移してみましょう。
木造の塔として日本最大の高さを誇る東寺の五重塔(国宝)は、寛永21年(1644)の再建。豊国神社の本殿前に堂々と佇む唐門(国宝)は、寛永行幸当時、二条城内にあったといいます。今年は「神馬」でも脚光を浴びている上賀茂神社は、寛永5年(1628)に、後水尾天皇とその后である東福門院によって再興され、楼門や細殿(ともに重文)を始め、今も当時の社殿が多く残っています。
このように、京都観光の身近なところを振り返ってみただけも、寛永時代の名残がたくさん見られることに気づかされます。2026年は、“寛永”を切り口に、京都旅を楽しまれてみてはいかがでしょうか?
\京都に点在する“寛永”を訪ねよう/
「そう京」ホームページでは、今後、「寛永ゆかりのスポット」や「寛永にまつわる展覧会・特別展」などをより詳しくお伝えする予定です。ぜひご期待ください!
\「寛永行幸」の概要や関連イベントの情報をチェック!/
※掲載内容は2026年1月14日時点の情報です。
