写真好きスタッフが紹介! 京都のおすすめ苔スポット 後編

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妙心寺 桂春院

京都に点在する苔名所の中から、入門編として押さえておきたいおすすめスポットを写真好きスタッフがご紹介。前編に引き続き、今回も2019年12月8日(日)まで開催となる「モシュ印・コケ寺リウム」キャンペーンの対象寺院から4寺院をお届けします。後編では、常寂光寺圓光寺建仁寺妙心寺 桂春院の苔風景をご覧ください♪

⇒「モシュ印・コケ寺リウム」キャンペーンの概要はこちら
⇒“モシュ印”“コケ寺リウム”の制作秘話や見どころはこちら

■東福寺・三千院・祇王寺・地蔵院の4寺院を紹介しています
⇒【苔情報】写真好きスタッフが紹介! 京都のおすすめ苔スポット 前編



【常寂光寺】“苔のプロ”も推薦する自然豊かなお寺



祇王寺とともに、今年(2019年)初夏の「そう京」キャンペーンの舞台となった常寂光寺。「環境に恵まれている上に手入れも行き届いているので、貴重なコケがたくさん見られますね!」と、コケ寺リウムの制作者である今田裕(いまだ ゆたか)さんも、おすすめのお寺のひとつとして挙げられています。

⇒今田さんも登場! “コケ寺リウム”が完成するまで




苔を見るなら、仁王門のまわり、とりわけ緩やかな傾斜とともにのびる「末吉坂」へ。本堂側の斜面(写真右側)には、苔がびっしり! よ~く見ると種類も様々ですが、空気や水が綺麗な場所を好むとされるヒノキゴケも多く見つけ出すことができます。このことからも、常寂光寺が自然豊かなお寺であるということが分かりますね。




私が特におすすめする苔スポットがこちら。拝観受付から仁王門前まで進み、そこから右へ進むと細い道があるので、更に奥へと行ってみてください。そこから振り返った風景は、まさに一面が緑! この場所、ちょっと分かりにくい場所にあるためか“スルー”されてしまっている拝観の方も多いようです。せっかく訪れたなら、ぜひ立ち寄ってみてくださいね♪

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【圓光寺】緑の中で微笑むお地蔵様に出会う



紅葉名所の多い一乗寺エリアの中でも、特に人気を集めるのが圓光寺。方丈の柱や鴨居を額縁に見立てて眺める「十牛の庭」が、訪れる人を魅了します。室内からも、苔の美しさに目を奪われますが、緑たっぷりの庭園を散策してみましょう。
 


ちょうど方丈の反対側からお庭を眺めた風景です。苔は日光や暑さを苦手とする種が多いようですが、ご覧の通り、モミジがお庭を覆うように茂っているため、一年を通して美しい苔を楽しむことができます。お庭の一角には竹林もあり、様々な緑の風景に出会えるのも嬉しいポイント♪




圓光寺の人気者といえば、苔の上で微笑ましい表情を見せるこちらのお地蔵様。インスタなどSNSで見かけたことがあるという方もいらっしゃることでしょう。今は美しい苔を楽しまれているようですが、赤く色づいた葉が苔の上に散る秋には、ポッと頬を赤らめながら紅葉狩りを楽しんでいるように見え、何とも愛らしいですよ♪

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【建仁寺】市街地の真ん中に現れる苔空間



風情ある祇園の街並みの中に堂宇を並べる建仁寺。境内に一歩足を踏み入れると、繁華街の喧騒が遮断されたかのように厳かな雰囲気に包まれます。
建仁寺の苔スポットといえばこちらの潮音庭(ちょうおんてい)。“街ナカのオアシス”というべき、癒しの空間です♪
 


ぎっしりと苔が貼り巡らされたこのお庭の珍しい“仕掛け”は、四方から眺めることを意図して作庭されているということ。大書院・小書院から眺めるだけでなく、2つのお部屋を結ぶ回廊からも鑑賞してみてくださいね♪




建仁寺で気になるお庭が、こちらの「〇△□の庭」。「まるさんかくしかくのにわ」と、“そのままの読み”なのですが、文字通り、お庭の中に「〇」「△」「□」が隠されています。「〇」は苔で綺麗に形作られていますね! さて、「△」と「□」は分かりましたか?

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⇒京都のお寺探訪シリーズ 建仁寺編



【妙心寺 桂春院】“5つ目のお庭”もお忘れなく



広大な敷地を誇る妙心寺には46もの塔頭寺院がありますが、一年を通して公開されているのは3ヵ所のみ。そのうちのひとつが桂春院です。桂春院には風情の異なる4つのお庭があるのですが、おすすめは、“モシュ印”の制作者である杉田悦朗(すぎた えつろう)さんもお気に入りという「侘の庭」。お茶室の前に広がるこぢんまりとした庭園で、その名の通り、しっとりと侘びた風情に心奪われます。

⇒杉田さんも登場! “モシュ印”が完成するまで




本堂(方丈)前の「真如の庭」にも見事な苔の海が! 良い枝振りのモミジの木もあり、秋には苔や常緑樹とのコントラストを楽しむことができます。縁に沿うように長椅子が置かれているので、腰を据えてゆったりと紅葉狩りを楽しむことができれば、贅沢な秋のひとときとなりそうですね♪
 


桂春院には、これまでにご紹介した「侘の庭」「真如の庭」の他に、白砂と岩を主とした「清浄の庭」と、モミジも多い「思惟の庭」の四庭があり、全てが国の名勝に指定されています。しかし、拝観に来たなら“もうひとつのお庭”もお忘れなく!
長椅子が置かれていた方丈から見て、「真如の庭」の奥にあたる場所なのですが、園路が巡らされており散策することが可能。苔の美しさもさることながら、モミジがバランス良く植えられており、秋は見事な風景を描き出してくれますよ♪

⇒妙心寺 桂春院のスポット情報はこちら
⇒京都のお寺探訪シリーズ 妙心寺編

Written by. カツオ

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