「乗るほどお得!秋の社寺めぐりパスポート」で京都の魅力再発見! 山科・醍醐編

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醍醐寺

醍醐寺

11月の京都は行楽シーズンにあわせて、特別公開や寺宝展が各所で開催されます。せっかくなら1日で効率良く複数箇所をめぐりたいという方におすすめしたいのが「乗るほどお得!秋の社寺めぐりパスポート」です。「そう京」スタッフが実際に朝から山科・醍醐エリアを訪ねてきましたので、そのコースを見どころとあわせてご紹介します!

「乗るほどお得!秋の社寺めぐりパスポート」とは?

  • 「乗るほどお得!秋の社寺めぐりパスポート」と「地下鉄・バス1日券」

    「乗るほどお得!秋の社寺めぐりパスポート」と「地下鉄・バス1日券」

  • ジェイアール東海ツアーズ京都支店で引き換えます

    ジェイアール東海ツアーズ京都支店で引き換えます

「乗るほどお得!秋の社寺めぐりパスポート」(以下、パスポート)は、この秋、京都市交通局とJR東海がタッグを組んでお届けしている企画。「洛西」と「山科・醍醐」の2種類あり、今回は「山科・醍醐」のパスポートを使ったコースをご紹介します。
 
パスポートには、毘沙門堂、醍醐寺、隨心院、勧修寺の拝観整理券と、旅に役立つグッズ引換券が付いています。さらに、地下鉄や市バス、京阪バス(※)などが1日乗り放題になる「地下鉄・バス1日券」も付いてくるという、なんともお得なプランです。「EX旅先予約」で事前に申込み、ジェイアール東海ツアーズ京都支店でパスポートと「地下鉄・バス1日券」を受け取ったら出発です!
 
■【山科・醍醐編】乗るほどお得!秋の社寺めぐりパスポート(「地下鉄・バス1日券」付)
【設定期間】2025年10月1日(水)~12月26日(金)
※利用期間は12月27日(土)までの連続する2日間
※「地下鉄・バス1日券」は当日限り有効
【旅行代金】1,800円
【パスポート引換箇所】ジェイアール東海ツアーズ 京都支店(京都駅八条口)
           8:30~9:30(きっぷうりば)、9:30~17:00(旅のサポートデスク)
※申込みには「スマートEX」会員の登録が必要です(無料)。詳細はこちら
 
<地下鉄・バス1日券>
地下鉄・市バス全線、京都バス(※)、京阪バス(※)、西日本JRバス(※)が1日乗り放題になる京都観光のマストアイテムです。
※一部路線を除く
 
\のんびり散策派におすすめ!/

おすすめモデルコース

最初の目的地は世界遺産の醍醐寺。京都駅からは「ホテル京阪 京都八条口」の東側にあるH4乗り場から、京阪バス「京都醍醐寺ライン」が便利です。京都駅から終点の醍醐寺まで乗換がなく、約30分でアクセスできます。但し、1時間に1~2本しか運行がありませんので、事前に時刻表のチェックをお忘れなく。

【醍醐寺】広い境内に、国宝・重文がたくさん!

唐門(国宝)

唐門(国宝)

醍醐寺は、なんと総面積が約200万坪もあります。上醍醐と下醍醐に大きく分けられ、下醍醐で拝観できるのは「三宝院エリア」「伽藍エリア」「霊宝館エリア」の3ヶ所です。パスポートの拝観整理券はいずれかひとつのエリアで利用できます。
  • 表書院 下段の間

    表書院 下段の間

  • 表書院 葵の間

    表書院 葵の間

来年の大河ドラマの予習を兼ねるなら、「三宝院エリア」はいかがでしょう。豊臣秀吉が「醍醐の花見」を行うにあたり、当時の座主であった義演によって建物が整備されました。きらびやかな障壁画に彩られた表書院は貴重な桃山建築の遺構として国宝に指定されています。
  • 三宝院庭園(紅葉のイメージ)

    三宝院庭園(紅葉のイメージ)

  • 藤戸石

    藤戸石

縁側に出ると、秀吉が「醍醐の花見」を催す一環でみずから設計に取り組んだ三宝院庭園が広がります。国の特別史跡・特別名勝に指定され、注目はお庭の中心に据えられた「藤戸石」です。秀吉の命で聚楽第から運び込まれ、それ以前は織田信長が所有したという天下の名石は、さまざまな角度から味わいたいところ。秋には朱色の絵の具を挿すように、藤戸石の周りをモミジが彩ります。
  • 奥宸殿

    奥宸殿

  • 純浄観

    純浄観

  • 純浄観からの眺め

    純浄観からの眺め

「三宝院エリア」では追加で500円を納めると、純浄観、本堂、奥宸殿を特別拝観できます。奥宸殿の床の間には修学院離宮の「霞棚」、桂離宮の「桂棚」とあわせて「天下の三大名棚」と呼ばれる「醍醐棚」があったり、純浄観には浜田泰介氏が描いた紅葉の襖絵があったりと、見どころ満載です。ぜひ、あわせて拝観してくださいね。
  • 五重塔(国宝)

    五重塔(国宝)

  • 金堂(国宝)

    金堂(国宝)

国宝の五重塔、金堂を拝観できる「伽藍エリア」も見逃せません。特に五重塔は天暦5年(951)に建てられた
京都府下でもっとも古い木造建築。普段は外観を拝するのみですが、なんと11月15日(土)~30日(日)には「京都非公開文化財特別公開」が行われ、初層の扉が開かれます(要別途拝観料)。

弁天堂(紅葉のイメージ)

弁天堂(紅葉のイメージ)

五重塔からさらに奥に進むと、西国三十三所観音霊場の札所である観音堂や弁財天を祀る弁天堂があります。弁天堂の周りにはモミジが多く植えられ、例年11月中旬頃からうっとりするような錦秋の光景が広がります。
 
  • 木造五大明王像(重文)※特別な許可を得て撮影しています

    木造五大明王像(重文)※特別な許可を得て撮影しています

  • 霊宝館 外観

    霊宝館 外観

「建築だけではなく、仏像や文書の国宝を鑑賞したい!」という方は「霊宝館エリア」へ。10月18日(土)から11月末日まで霊宝館開館90年を記念した秋期特別展「昔も今も地図頼み つたえる・たどる・かたる」を開催中。醍醐寺が所蔵するさまざまな時代の図絵が展示され、なんと11点もの国宝を鑑賞できます。さらに、薬師三尊像や五大明王像などの名仏に出会えるのも嬉しいところ。ずらりと並ぶ国宝、重文の仏様は圧巻です。
 
【拝観時間】三宝院・伽藍・霊宝館9:00~17:00(受付終了16:30)
※12月第1日曜日の翌日~2月末は16:30(受付終了16:00)
【拝観料】三宝院・伽藍・霊宝館 通常期:3ヵ所券1,500円、2ヵ所券1,000円、1ヵ所券600円
春期(3月20日~4月第3日曜日):3ヵ所券1,800円、1ヵ所券800円
【アクセス】地下鉄東西線「醍醐駅」から徒歩約13分、京阪バス「醍醐寺」バス停下車すぐ Google map
【公式ホームページ】https://www.daigoji.or.jp/

【フレンチカフェ ル・クロ スゥ ル スリジェ】霊宝館エリアでランチ♪

  • フレンチ・ル・クロのスペシャリテ とろける牛ホホ肉の赤ワイン煮込み 薬膳ハーブスープ付 2,540円(ドリンク別)

    フレンチ・ル・クロのスペシャリテ とろける牛ホホ肉の赤ワイン煮込み 薬膳ハーブスープ付 2,540円(ドリンク別)

  • 春のイメージ

    春のイメージ

  • 寿庵 外観

    寿庵 外観

「三宝院エリア」、「伽藍エリア」、「霊宝館エリア」をめぐると、あっという間にお昼です。「霊宝館エリア」内には2018年にオープンした「フレンチカフェ ル・クロ スゥ ル スリジェ」があります。“スゥ ル スリジェ”はフランス語で「桜の樹の下で」を意味するとあって、春には店内からしだれ桜を眺めながら食事を楽しめます。
 
お店のスペシャリテは3段のお重からなる「とろける牛ホホ肉の赤ワイン煮込み」。霊宝館に祀られている薬師三尊像にちなんで、薬膳ハーブスープが付いています。ほかにも薬膳カレーやパスタなど、魅力的なメニューがラインアップ。
 
和食が食べたいという方は「伽藍エリア」にある「寿庵」へどうぞ。
 
■フレンチカフェ ル・クロ スゥ ル スリジェ
【営業時間】10:00~16:00(ランチは14:00まで)※季節によって変動します。事前にご確認ください
【定休日】12月31日~1月3日、不定休
【アクセス】地下鉄東西線「醍醐駅」から徒歩約15分(醍醐寺 霊宝館敷地内) Google map
 
お昼を食べたら隨心院へ! 醍醐寺の総門前から歩いてすぐの「醍醐寺前」バス停から京阪バス22A・22B・2系統に5分ほど乗車して、「隨心院」バス停で降りれば、隨心院は目の前です。

【隨心院】11月は「京都非公開文化財特別公開」を開催中!

  • 庫裏内に拝観受付があります

    庫裏内に拝観受付があります

  • 小野小町の歌碑

    小野小町の歌碑

  • 小野小町の生涯を描いた襖絵『極彩色梅匂小町絵図』

    小野小町の生涯を描いた襖絵『極彩色梅匂小町絵図』

平安時代に創建された曼荼羅寺を起こりとする隨心院は、寛喜元年(1229)に後堀河天皇より宣旨を賜って以来、門跡寺院としての風格を今に伝えています。平安時代の歌人 小野小町の邸宅跡地にお寺が建っており、小野小町に関連した史跡や展示も見どころです。
 
※門跡宣旨800年となる2029年に向けた修理事業のため、奥書院は2027年3月頃まで拝観できません。
  • 表書院『四季花鳥図』※特別な許可を得て撮影しています

    表書院『四季花鳥図』※特別な許可を得て撮影しています

  • 表書院『四愛図』※特別な許可を得て撮影しています

    表書院『四愛図』※特別な許可を得て撮影しています

  • 如意輪観世音菩薩坐像(重文)※特別な許可を得て撮影しています

    如意輪観世音菩薩坐像(重文)※特別な許可を得て撮影しています

11月は1ヵ月間にわたり、「京都非公開文化財特別公開」を開催。パスポートの提示で追加料金を払うことなく拝観できます。
 
表書院では、狩野派が描いた豪華絢爛な襖絵を室内から鑑賞。普段は廊下からしか見られないため、ありがたさもひとしおです。さらに、ご本尊の如意輪観世音菩薩坐像は厨子が特別に開かれ、なんと内陣からお姿を拝せます。柔らかな造形に、きっと多くの人が魅了されるはず。
  • 庭園(紅葉のイメージ)

    庭園(紅葉のイメージ)

  • 本堂からの眺め(紅葉のイメージ)

    本堂からの眺め(紅葉のイメージ)

隨心院は紅葉名所でもあります。本堂前に広がる庭園は苔の絨毯の先にモミジが彩りを添え、例年11月中旬から下旬に見頃を迎えます。
 
  • 令和七年秋コラボ御朱印 1,000円

    令和七年秋コラボ御朱印 1,000円

  • 2枚が繋がるようなデザインになっています

    2枚が繋がるようなデザインになっています

  • 秋季限定御朱印 1,000円

    秋季限定御朱印 1,000円

御朱印を集めているという方は、11月1日(土)から授与が始まった「令和七年秋コラボ御朱印」をいかがでしょう。「お庭の紅葉を眺める人物は… あれ? 秀吉?!」隨心院にゆかりがあったかしらと頭を悩ませてしまいそうですが、じつは先ほどご紹介した醍醐寺とのコラボレーション企画になっています。隨心院では秀吉がお庭を眺め、醍醐寺では小野小町が弁天堂を眺める、時と場所を超えたデザインです。パスポートを使って両寺院を拝観するなら、良い記念になりそうですね。
 
また、小野小町と今年の干支のヘビを切り絵であしらった「秋季限定御朱印」も同じく11月1日(土)から授与がスタート。いずれも数量限定のため、気になる方はお早めに。
 
※「令和七年秋コラボ御朱印」秀吉版は隨心院、小野小町版は醍醐寺での授与となります
 
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】500円
※2025年11月1日(土)~30日(日)は~16:30(受付終了16:00)、1,000円
【アクセス】地下鉄東西線「小野駅」から徒歩約5分 Google map
【公式ホームページ】https://www.zuishinin.or.jp

続いては、隨心院から歩いて5分ほど、「小野駅」から地下鉄東西線(太秦天神川行)に乗って「山科駅」で下車しましょう。目指すは毘沙門堂です。
 
毘沙門堂は山麓にあり、山科駅から歩いて20分ほど要します。「地下鉄・バス1日券」は当日限りですが、パスポートの拝観整理券は翌日も利用できます。翌日になると交通費が必要になってしまいますが、疲れてしまった場合は無理をせずに、翌日の拝観も視野に入れてくださいね。

【毘沙門堂】絵が動く?! 驚きのアート体験を

毘沙門天を祀る本殿

毘沙門天を祀る本殿

毘沙門堂は大宝3年(703)、現在の京都御所の北側あたりに創建し、山科の地に移ってきたのは寛文5年(1665)のこと。天台宗京都五箇室門跡のひとつで、毘沙門天をご本尊に祀っています。

宸殿「九老之間」の襖絵 ※特別な許可を得て撮影しています

宸殿「九老之間」の襖絵 ※特別な許可を得て撮影しています

室内の襖絵は廊下から鑑賞するスタイルの寺院が多いなか、毘沙門堂はすべて入室が可能です。興味深いのは狩野益信によって描かれた宸殿の襖絵(京都市指定文化財)。鑑賞者が視点を固定しながら左右に移動すると、まるで絵が動いているように見えるという逆遠近法で描かれています。見れば見るほどに不思議なアート体験に、ついつい時間を忘れてしまいそう。
  • 晩翠園(紅葉のイメージ)

    晩翠園(紅葉のイメージ)

  • 弁天堂(紅葉のイメージ)

    弁天堂(紅葉のイメージ)

  • 勅使門に続く坂道(紅葉のイメージ)

    勅使門に続く坂道(紅葉のイメージ)

毘沙門堂といえば2011年「そうだ 京都、行こう。」盛秋キャンペーンの舞台。11月中旬から境内のいたるところでモミジが美しく色づきはじめ、12月上旬には勅使門へ続く坂道を散りモミジが覆います。
 
  • 紅葉舞秋風 1,200円

    紅葉舞秋風 1,200円

  • 左:紅葉舞秋風 800円、右:吉祥 800円

    左:紅葉舞秋風 800円、右:吉祥 800円

紅葉の時季限定の御朱印をご紹介しましょう。毘沙門堂では季節にあわせて、色とりどりの御朱印が登場します。印刷ではなく、特別な紙にひとつひとつ押印しているのが特徴で、「紅葉舞秋風」のモミジもすべて手押し! その時々で色や角度が変わるため、同じものはひとつとしてないそうです。「紅葉舞秋風」の2種類、「吉祥」は紅葉が終了するまでの授与ですが、数量限定となりますので、ご注意を。
 
【拝観時間】9:00~17:00(朱印終了16:00、受付終了16:30)
※12月~2月は16:30まで(朱印終了15:30、受付終了16:00)
【拝観料】700円
【アクセス】地下鉄東西線・JR琵琶湖線「山科駅」から徒歩約20分 Google map
【公式ホームページ】https://bishamon.or.jp/
 
拝観を終えたら、街を見下ろしながら毘沙門堂道を南下しましょう。突き当りの旧東海道を西に向かい、「山科駅前」の信号を渡れば、最終目的地、京都山科 ホテル山楽は目の前です。

【京都山科 ホテル山楽】“旅に役立つグッズ”をゲット!

  • ロビー

    ロビー

  • 大正ロマンを感じるステンドグラス

    大正ロマンを感じるステンドグラス

  • ステンドグラスをモチーフにした「ホテルオリジナル しおりセット」(300円)もあります

    ステンドグラスをモチーフにした「ホテルオリジナル しおりセット」(300円)もあります

京都山科 ホテル山楽は、山科駅前にあるクラシックモダンホテル。京都・大正ロマンをコンセプトにした内装で、ロビーのステンドグラスがオシャレ! モチーフは鴨川のアオサギで、琳派風にデザインされているそうです。
  • 京都くろちく お手玉えこばっぐ ※色は選べません

    京都くろちく お手玉えこばっぐ ※色は選べません

“旅に役立つグッズ”はロビーのフロントで引き換えを。ピンクかブルーの「京都くろちく お手玉えこばっぐ」をいただけます。お手玉みたいな小さなサイズ感ですが、広げるとA4サイズの資料が入る便利アイテムです。
 
※“旅に役立つグッズ”の引換時間は8:00~20:00です。
  • モデレートツインルーム

    モデレートツインルーム

  • 女性専用サウナ

    女性専用サウナ

  • レストラン「fing dining 山科」

    レストラン「fing dining 山科」

山科駅はJR琵琶湖線、地下鉄東西線、京阪京津線が通っています。そのため、街中に戻るなら「地下鉄・バス1日券」を使って地下鉄東西線に乗車、京都駅に戻るなら別途料金が必要ですが、JR琵琶湖線でひと駅です。
 
もしくは、京都山科 ホテル山楽に宿泊をするという選択肢も! 館内には女性専用の大浴場とサウナがあり、すぐに一日の疲れを癒せます。また、レストラン「fing dining 山科」では京都や滋賀の食材を使ったブッフェ形式の朝食も。ランチ営業もあり、宿泊者以外でも利用できます。
 
■京都山科 ホテル山楽
【営業時間】レストラン「fing dining 山科」朝食7:00~9:30(ラストオーダー9:15)、ランチ11:30~14:30(ラストオーダー14:00)
【定休日】無休
【アクセス】地下鉄東西線「山科駅」から徒歩約1分(山科駅地下直結) Google map
【公式ホームページ】https://sanraku.kenhotels.com/kyoto/
 
*****
醍醐寺、隨心院、毘沙門堂、3つのお寺でたくさんの寺宝を鑑賞でき、充実感たっぷり。これからの時季は紅葉も楽しみです。ぜひパスポートをフル活用して、秋の京都を満喫してくださいね♪
※掲載内容は2025年11月5日時点の情報です。最新情報は各掲載先へご確認ください。

Written by. 「そう京」編集部

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